本から開く「もうひとつの世界」の扉
書肆アサンブレア 田端 広英 様
自己紹介
学校出てから30年、出版業界の片隅で、締切、締切の明け暮れに、書いた原稿五万本(サバ云うな〜)てな感じのフリーランス編集者/ライター(崩れ)。「散歩も人生も道草は喰えるだけ喰え」を信条にフラフラしてたら、いつの間にやらシェア型書店の棚主に。気がつけば、高円寺「本店・本屋の実験室」にて「書肆アサンブレア」という屋号で本を売ってました。
選書のコンセプトは「¡ Otro Mundo Es Posible !(もうひとつの世界は可能だ!)」。行き詰まりが明らかなのは分かっちゃいるけど止められない資本主義社会、その先を想像し、「もうひとつの世界」を創造するために読んで欲しい本を並べています。
「高円寺 本の街商店会」のイベント担当としては、「ひとはこ古本市」「本の通り道」などの本にまつわる催しを通して、高円寺に暮らす人たち、高円寺に集う人たちと生身でつながり、ともに手を携えて高円寺を名実ともに「本の街」にしていきたいと考えています。「本の街」って、可能なる「もうひとつの世界」なんじゃないかなあ。
好きな本、作家
好きな作家は野坂昭如、開高健。いわゆる「焼け跡闇市派」です。野坂作品では『骨餓身峠死人葛』、開高作品では『日本三文オペラ』がお気に入り。彼らが焼け跡闇市を彷徨っていたのと同じ年頃に読み耽ったので、死生観とか政治観とか、影響受けること大でしたね。
と言いつつも、「人生に最も影響を与えた本」と問われたら、迷わずE. R. バロウズ『地底世界ペルシダー』と答えます。小学校の図書室で借りた少年少女世界SF全集版(あかね書房)を読んでその作品世界にどハマり。続刊がハヤカワSF文庫から出ていることを「あとがき」で知り、わずかな小遣いを握りしてめて本屋に通って毎月一巻ずつ読み進めたのが、自覚的に本を買った最初であり、本屋通いの始まりでした。あの出会いがなければ、今ほど本を好きになっていなかったと思います。
何か一言
お隣の阿佐ヶ谷に住んで四半世紀。その内半分は高円寺と阿佐ヶ谷にまたがる旧馬橋村在住。気持ちは馬橋村民です。